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理想的な栄養バランス

ここでは、糖尿病の食事管理で必要になる栄養バランスの考え方についてくわしく解説しています。

糖尿病の食事管理・栄養素別にみた食品分類とは

糖尿病の食事療法において、摂取するエネルギー量と同じくらい大事なのが栄養バランス。
各栄養素はそれぞれに異なる役割を持っているので、指示エネルギー量の範囲内で、どの栄養素も過不足なく摂取する必要があるのです。

まず以下に、栄養素別にみた食品の分類と、それぞれの栄養素の働きをまとめてみました。

食品の分類

  • I.炭水化物を多く含む食品
    ①穀物・イモ・炭水化物の多い野菜及び種実・豆(大豆を除く)、②果物
  • Ⅱ.タンパク質を多く含む食品
    ①魚介・大豆とその製品・卵・チーズ・肉、②牛乳と乳製品(チーズを除く)
  • Ⅲ.脂質を多く含む食品
    油脂・脂質の多い種実・多脂性食品
  • Ⅳ.ビタミン、ミネラルを多く含む食品
    野菜(炭水化物の多い一部の野菜を除く)・海藻・キノコ・コンニャク

各栄養素の働き

炭水化物

炭水化物は、体のエネルギーの源になる栄養素の一つ。
消化・吸収されるとブドウ糖に変わって供給されていきます。1gにつき約4kcalのエネルギーを持っています。 炭水化物は糖質なので、食べたぶん血糖値が上がり、代謝のためにインスリンが分泌されます。インスリンを過剰に分泌していると、血糖が急激に下がって空腹状態を覚えます。満腹感を感じることがなくなり、食べた後1時間程度でお腹がすき、また炭水化物を口にしてエネルギーを得ようとします。
この悪循環によって体脂肪が体に大量に貯蓄され、間食の量が増えて血液の質が低下し、糖尿病に拍車をかけてしまいます。糖尿病の患者さんが、医師や管理栄養士から糖質摂取を制限されるのはこのためです。

糖質の摂取量が多くなるほどにインスリンが分泌されるので、低血糖のほかにもすい臓に負荷をかけてしまいます。糖尿病の治療中は、炭水化物中心もしくは炭水化物が多く含まれる食べものは避け、それ以外の野菜などを中心に食べることが推奨されています。

タンパク質

タンパク質は体内を構成する血液や筋肉の元になる栄養素です。
炭水化物や脂質が十分に摂取できない時には、それらの栄養素に代わってエネルギー源としても利用されます。1gにつき約4kcalと、意外にも炭水化物と同程度のエネルギー量を持っています。

健康な人にとってはエネルギー源となりますが、糖尿病を抱える患者さんに対する影響としては、タンパク質であるアミノ酸の「リジン」「ロイシン」「アルギニン」がそれぞれインスリンを分泌させる作用を持っており、注意が必要です。 例として、牛肉の中には上記の3つのタンパク質がそれぞれ含まれており、食べすぎることでカロリーの摂りすぎや血糖値の上昇を招くおそれがあります。

また、タンパク質には動物性のものと植物性のものがあり、一般的に血糖値への影響が少ないものは植物性タンパク質となります。 アメリカで行われた3つの研究「看護師健康研究」「看護師健康研究II」「医療従事者追跡研究」から採られたデータによると、動物性タンパク質は2型糖尿病を発症する可能性が1.13倍高くなり、植物性タンパク質0.91倍と減っています。

したがって、タンパク質がヘルシーで血糖に影響を与えないものという見方ではなく、間接的に影響を与える可能性もあるということを押さえておく必要があります。
血糖値の上昇や低下が気になる方は、肉や魚などの動物性タンパク質は少なめに摂取し、代わりに大豆などの植物性タンパク質を多めに摂ると良いでしょう。

脂質

脂質は炭水化物やタンパク質と同じく、活動のためのエネルギーに使われています。
また体内では、細胞膜やホルモンなどにも使われる栄養素です。 エネルギー量は1gにつき約9kcalと多めであり、摂取量が多ければ多いほど体脂肪として蓄積し、動脈硬化のリスクもアップさせてしまいます。
糖質などの摂りすぎによって分泌されるインスリンには、体に脂肪をためる働きもあります。そのため、炭水化物と同時に脂質も摂取する食事を摂ってしまうと、大量のインスリンが脂質を抱え込み、さらに太りやすくなってしまいます。

また、血糖値の上昇に伴って、余った糖を利用して「中性脂肪」が生成されます。中性脂肪の値が空腹時に150mg/dLに増えると、「高トリグリセリド血症」となり、インスリンの効き目が下がってしまいます。 インスリンの効き目が悪くなると今度は、もっと効果を上げようとしてさらに多くのインスリンが分泌されていきます。

人間の体は摂りこんだ栄養素に敏感に反応しますので、効き目が悪くなるほどにすい臓が酷使され、インスリンを出し続け、脂肪が溜まりやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。 糖尿病の治療中は、糖質を集中して制限しようとして、ついタンパク質や脂質などに偏った食事になってしまいます。
炭水化物が摂取できずに物足りなくなり、ついつい多めにバターやドレッシングをかけてしまったり、油ものに偏りたくなるものですが、脂質は五大栄養素の中でもっともエネルギーの多い栄養素のため、摂取量には注意が必要です。

ビタミン・ミネラル

ビタミンやミネラルは内蔵機能はもちろん、体の神経系や皮膚など、細部の機能まで整える重要な栄養素です。特にミネラル類は骨などを構成する栄養素であり、健康維持のために欠かさずに摂取していきたいところです。 糖尿病に対する影響としては、インスリンの分泌を正常化して過剰に分泌しないようにコントロールする「カルシウム」などが、糖尿の症状の改善に重要な働きをすると考えられています。

カルシウムが不足するとインスリンが正しく分泌されなくなってしまうので、血糖値が高い状態となり、慢性化して糖尿病を重篤化させてしまうおそれがあります。そのため、糖尿病の治療中はカルシウムを十分に摂る必要があります。
また、カルシウムと一緒にビタミンDを摂ることで、さらにインスリン分泌の正常化に効果があると言われています。

食物繊維

食物繊維は糖尿病の治療中に積極的に摂取したい栄養素の一つです。
たくさん食べても血糖値が上がることはなく、腸内環境の正常化や老廃物の排出、血糖値を抑える作用もあります。

野菜やサラダなどは、炭水化物の代わりにお腹を満たすこともできるので、エネルギーやカロリーが気になる時の心強い味方にもなってくれます。
食物繊維には脂溶性と水溶性の2種類がありますが、どちらかに偏るよりも、両方ともまんべんなく摂取するのが良いとされています。
糖尿病の療法食の場合、すべての栄養素や食材をバランス良く口にすることが改善への早道とされていますので、野菜は水溶性・脂溶性の両方を意識して摂取すると良いでしょう。

また、炭水化物からではなく野菜から食べるのも、糖尿病の治療におけるポイントとなります。胃や腸は、体に入ってきたものから順に消化・吸収を始めますので、炭水化物の吸収を穏やかにするためにも、野菜から口にするように心がけたいところです。
食物繊維を積極的に口にすることで、コレステロールを下げたり、老廃物を外に出す効果が生まれます。ただし、ドレッシングのかけすぎは脂質の摂りすぎにつながるため、注意が必要です。

各栄養素はどれぐらいの割合で摂ればいいの?

では、これらの各栄養素は、どれぐらいの割合ずつ摂取すればよいのでしょうか?理想的なバランスとしては、1日の摂取エネルギーの50~60%を炭水化物から、タンパク質は体重1kgあたり1.0~1.2gを目安に、そして残りのエネルギーを脂質から摂るというのが良いと言われています。以下に、簡単な図にして表してみました。

【1日1,600kcal 炭水化物55%の場合】

食品の分類 割合
穀物・イモ・炭水化物の多い野菜及び種実・豆(大豆を除く) 45%
果物 5%
魚介・大豆とその製品・卵・チーズ・肉 25%
牛乳と乳製品(チーズを除く) 7.5%
油脂・脂質の多い種実・多脂性食品 7.5%
野菜(炭水化物の多い一部の野菜を除く)・海藻・キノコ・コンニャク 6%
調味料 4%

糖尿病の食事療法では、上で解説したような栄養バランスを心掛けて献立を作ってみてくださいね。

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